2020.06.01 UP

予土線に特急が走っていた?

当時のパンフレット資料、今はアンパンマン仕様になっている四万十トロッコもデビューした。 

普段なら新緑のいい季節でもあり、取材や撮影で寝る間もなく全国を走り回っているところだが、今は感染症対策でホームステイを続けている。これを良いことにダラダラと過ごそうと思っても、なにかしらすることが多く、ちっともゆっくりできない。そんな時に環境を変えようと思って始めた資料部屋の整理は気軽に始めたものの、なかなかの作業である。
そんな中、懐かしい写真や資料をみつけてしまった。
突然だが、JR四国で現在、特急列車が走っていない路線は徳島県にある鳴門線と、この予土線である。(区間的には予讃線愛ある伊予灘線・向井原~伊予長浜経由伊予大洲間も含む)
しかしその昔、そんな予土線に特急列車が走っていたのを御存知だろうか?
今から23年前となる1997728日から1999926日の約2年間、臨時特急ではあったが運行されていた。今思えばこの列車が、なかなかの珍列車であった。 

高松駅での車両展示会時に撮影カワウソの顔がかわいい。

パンフレット裏面にはスケジュールも記載されていた

その特急列車はなんと愛媛県松山から一旦宇和島に入ると進行方向を変え、今度は予土線を走破し、高知県高知駅までの251.2km5時間20以上かけて運行されていた。ほぼ四国を半周するという、あまりにもロングランであるため2日で1往復するというダイヤ設定、つまり1日を片道運転しかしない列車であった。その愛称も「I LOVE しまんと」。今聞いても驚く特急名称だが、当時ならなおさら奇抜な印象また使っていた車両もこれまた異色で、1986年製造のキハ185系2両(キハ185-1016+キハ185-9が充当・現在特急うずしお・剣山・むろとで活躍)を使い、一般公募で選ばれたデザインが採用され、四万十川を悠々と泳ぐアユの姿が描かれた側面に、かわうその顔になった正面がなんとも可愛くインパクトあった。確か、車両展示会の折に乗務する車掌もまるで専用のアロハシャツ風デザインYシャツを着ていたような覚えがある。

2002113日に1日のみ復活運行されたキハ181I LOVE しまんと」。

ヘッドマークをアップしてみた。車両はJR西日本米子支社から借り受けた。

この特急、今再現するとどうなるか時刻表を見ながら脳内で想像してみた。車両は2000系特急型振り子気動車2両×2本で運用。2018217日に同車両の臨時列車が運行されているので走行実績もある。特急愛称はI LOVE しまんと」もしくは純粋に「よど」としたい。まず松山→高知行きは、松山から宇和島間は同型で運行されている特急「宇和海7(松山9:07→宇和島10:40)松山寄りに併結。これは宇和島到着後特急宇和海から切り離して先に予土線へ出発させるため。宇和島は10:40発とし予土線へ。途中吉野生で4817Dと交換し江川崎で11:40から15分停車。この間に対向の松山行き「よど」と交換。窪川では特急あしずり3号と交換し12:44発車。そのまま土讃線に入り須崎で4729D、吾桑で観光列車「時代の夜明けのものがたり」、斗賀野731D、日下7075D、伊野733Dと交換し高知に14:30に到着。
一方松山行きは、今のところ同型車種を使用している中村行き特急「あしずり1号」(高知9:53)の高知寄りに併結し窪川で切り離対向の512Dと交換後11:14に発車土佐大正で4814D、江川崎で11:54から同様に15分停車とする。その間に高知行き「よど」その先の吉野生で4816Dと交換したのち、宇和島には13:30着。さらに後着する松山行き特急宇和海18号に併結し予讃線へ。終着松山へは15:20に到着する。利用状況や他の特急への増結・解放作業の人員も手配の手間もあるので、実現は難しいと思うが、停車時間を利用した観光アピールや付加価値をつけるなど臨時的な列車として、やってみる価値はあると思う。JRさん、いかかだろうか? 

I LOVE しまんと」で活躍後は臨時列車や他の特急の代行としても活躍した。 

時刻表を見てこんな想像しているうちに、ほとんど整理作業が進まないまま1日が終わろうとしているまだまだ魅惑の写真や資料が発掘され、いつ片付くだろう。 

この続きはまた明日にしよう… 

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